船頭小唄
己(おれ)は河原の 枯れ芒(すすき)
同じお前も かれ芒
どうせ二人は この世では
花の咲かない 枯れ芒

死ぬも生きるも ねえお前
水の流れに 何変(かわ)ろ
己もお前も 利根川の
船の船頭で 暮らそうよ

枯れた真菰(まこも)に 照らしてる
潮来(いたこ)出島(でじま)の お月さん
わたしゃこれから 利根川の
船の船頭で 暮らすのよ

なぜに冷たい 吹く風が
枯れた芒の 二人ゆえ
熱(あつ)い涙の 出た時は
汲んでお呉れよ お月さん



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